店舗の内装工事については、大手のテナント企業の場合内装業者が指定されています。
これは、店舗のデザインやレイアウト、仕様などいちいち物件ごとに説明することなくデザイン設計ができるというメリットがあります。
内装業者に物件を見せれば、什器のレイアウト、客動線、サイン計画、売場造りを従来のマニュアルから自らプランをしてくれるので、テナント企業にとってはかなり効率が良いと言うことになります。
初めての内装業者なら、やれレイアウトはどうするかとか、内装の各種仕様をどうするか、サインの規格やデザインまでいちいち打ち合わせをして決めていかなければならず、これはかなり担当者の時間的な負担になりますし、場合によっては専用の担当者を設置しなければいけなくなります。
売場造りで何が難しいかと言えば、什器のレイアウトで、これによってどこに何を置くかも決まってきますし、経験値も必要な作業です。これを判らない業者が担当すると、売場造りから説明しなければいけないので、時間が掛かるし見当違いのプランが出てきたりするわけです。
では、デメリットは何かと言うと、コストが高くなってくることと、売場造りに斬新さがなくなる可能性があるということです。
内装業者がいつも決まった状態だと、コスト競争の場面が減りますし、コスト削減の自己努力もなくなります。
また、ある程度テナントの発注単価や値切り幅が判ってくるので、いつも同じような価格で見積もりが出てくると言うことになります。ただ、建設部門を設置して人員を配置するコストと比較して、どちらか有利な方のやり方をすればいいのですが、チェーン展開で仕様やデザインを統一しているテナントの場合はやはり慣れた業者に任せるのが良いのかもしれません。
内装工事は新築の建築工事に比べて価格のばらつきは大きくなります。建築工事は技術的要素が大きいのですが、内装工事は技術的な力よりデザイン力や工事のスピード力の方が重視されがちです。
それだけに、施工精度より如何に臨機応変に施主の要望に対応していくかが大事ですし、その能力がないと内装工事はできないと言えるでしょう。
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